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昭和時代の鉄道全盛期時に大活躍した急行列車の変り種やつわものを思い出してみました。
参考は昭和48年時刻表です。キロは営業距離です。
これから私見ですが5列車ほど順番にとりあげてみたいと思います。今回は第3位です。

◆ちどり3号
今回は広島から松江方面へ運行されていた急行ちどり3号です。

この列車がなぜ変り種かというと、当時は珍しかった地方都市相互発着の夜行列車だったということです。
ちどり1・2号は昼間の列車でとりたてて大きな特徴はありませんでしたが、この3号は夜行列車としては異色の存在だったといえると思います。
またさらに珍しいのは急行列車として走行する部分のほとんどの部分が幹線ではなく、地方ローカル線であったということです。

当時は中国山地越えの路線や山陰線は気動車や客車列車ばかりの地域で、朝晩の通勤通学輸送と空いた時間(夜中)の車両の効率運用に役立っていたのかもしれません。
また広島県と島根県は人的な交流が多いとの事で輸送の需要も大きかったのだと思います。

それにしても現在の芸備線の三次以遠や木次線は当時からは考えられないくらい鉄道としては寂れてしまった感があります。
芸備線の交通の要衝である備後落合は元からジャンクションとしては大事な駅でしたが、街は小さく、この間偶然テレビで見たらさみしい山の中の駅という風景でした。

また木次線も今はレールバスのみの運行されるような線区になってしまっているようです。
この地区は道路の発達で鉄道需要は大幅に落ち込んでしまったようです。

さてちどり3号の運行内容を説明すると、
広島からの列車は、山陽本線岩国発で22時56分に岩国を出発します。広島までは普通列車です。
広島から急行になり23時55発、芸備線経由で三次を経て、備後落合から木次線に入り宍道に5時2分着、ここから山陰本線になり5時22分に松江に到着します。
さらにここから普通列車になり終点の鳥取には7時57分着です。

また反対方向は米子22時40分発で松江までは普通列車で同じ経路で終点広島には5時ちょうどに到着です。

つまり木次線と山陰線のだぶって運行している区間は厳密には山陰線で、この区間以外はすべてバリバリのローカル線のみの運転ということになります。

当時も現在も全国でもこのような夜行列車はきわめてめずらしい存在だったといえると思います。