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はるか昔、学生時代に筒井康隆氏が書いた「俗物図鑑」という長編小説を読みました。
本来「タイムトラベラー」などSFものが主要な作品ですが、彼の持ち味は世の中を鋭い洞察力で観察して、人と全く違う視点で分析し、強烈なブラックユーモアで書いたショートショートのほうにあると感じていました。
それを長編化したようなものが表題の小説で、長いのですがあっという間に読みきってしまいました。

その中で彼の未来予想的なメディアの姿が、未来のテレビ番組の場面として書かれています。
詳しい内容は忘れましたが、ここではさまざまな評論家がでてきます。
当時は評論家といえば、「政治」「経済」「料理」など一般的な分野しか存在してなかったので、彼が作り出した評論家の分野は、
「こんなのあるわけないだろ」みたいな分野ばかりでしたが、風刺的で妄想的な小説としてはひじょうに楽しく読むことができました。

ところが20年以上経ってよくよく考えてみたら、現在テレビなどに出てくる評論家は、
「ラーメン評論家」「鉄道評論家」「駅弁評論家」「節約評論家」「収納評論家」・・・などなど数え切れない分野の評論家が出てきています。

筒井氏はまだご健在のようですが、この事態を当時予想していたのか、いないのか、いずれにしてもたいしたもんだと思います。

たしかに10年くらい前から、テレビチャンピオンなど、マニアックな素人がプロをはるかに超えるような知識を身につけ登場して世間を驚かせました。
一部はメディアで活躍、一部はネットなどで活躍しているようです。

私自身も調べ物などをする時に彼らのサイトを見ることも多く、大変重宝しています。

その反面メディア、特にテレビでは出所不明の評論家たちがあふれるように出てきているのも現実です。

最近は某FPの中年女性ではありませんが、どこから出てきたのかいつのまにかお茶の間の間に定着してしまった人たちも多くなっています。
先日テレビでその某FPのおばさまを見てて、かなり痛烈に自説を主張していたので、
「この人は昔どんな関係の商売をやっていたのかな?」と、
興味が出てきて調べてみたら、詳細はわかりませんがOLだったのが、ルポライター的な商売をやりたくて有名な方に師事していて、途中でFPに路線を切り替えたというふうに書いてありました。

評論家の中にはきれいな若い女性で明らかに「もしかしたら、容姿なども関係あるんだね・・」
というふうに感じる人もいます。

でも今や有名なあの「駅弁おばさん」みたいに、「そういうことはまずないな」(ごめんなさい)
という人もいます。
彼女は有名になるまでも、毎日駅弁を食べまくって、”駅弁評論家”をめざして頑張っていたのでしょうか。
もしかしたら「最初はこんなじゃなかったんだけど、駅弁評論家になるために毎日10個駅弁を食べていたらこんなになっちゃったのよ」(勝手な憶測です・も一度ごめんなさい)
ということかも知れませんが・・。
※ちなみ彼女は大酒飲みみたいで、テレビなどでもかなりおもしろいので個人的はかなりファンですのであしからず。

いずれにしても私が一番興味があるのは、
こういう人たちが評論する内容ではなくて、
彼らがどうやって世の中に出てきたのか?
どうやってどのようなルートでテレビ局の眼にとまるようなところまでのぼってきたのか?
という処世術のほうです。

そういう意味ではみんなたいしたもんだと思います。
ある意味、そういう人たちを集めて「どうやってその分野の評論家になったか」という全集本や番組をやってみても面白いかもしれませんね。