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昔歌謡曲で大ヒットした曲に、曲名だか歌詞だかは忘れましたが「長崎から船に乗って神戸に着いた〜」という曲がありました。よく考えてみたら、長崎から五島列島の横をすり抜け、玄界灘を進み、関門海峡を通って瀬戸内海に入り、神戸まで行くというような航路は効率だけを考えれば、通常では考えにくいような航路です。実際にあったのでしょうか?

歌の世界の話なので、本当に航路があろうがなかろうがどうでもいい話なのですが、この間ふとこの歌が頭に浮かんできて、歌詞を口ずさんだ時に考えてしまいました。この曲は私が幼いころに流行った歌だと記憶していますが、今の今までそのようなことを考えたことはなく、ほんのたまに放送で流れたり、自分で思い出した時も特にそのまま、当たり前のように口ずさんでいました。

今考えれば、どちらも日本を代表する観光地でもあり、逆にこのような航路があったら、楽しいな・・、などとさらに思っています。

ただ、今流行りの豪華クルーズである必要もなく、最低限大型船であることは必要ですが、博多、下関か北九州、松山、広島、高松など主要な観光もできる大きな港町に寄港しながらのんびり過ごせることも重要です。そして料金は必要以上の設備を持たないリーズナブルであるということであれば、結構なニーズがあるかもしれない・・・、と思いました。要は今の観光産業の王道とは一味違う形式になります。

さらにたとえばその道中や船内で、芸能や芸術のコーナーなどがあれば、現状のコロナなどの問題に対する問題にも少しは貢献できそうにも思います。これは料金の高低とは関係なく企画可能です。

しかし現状の社会では、今は新しいツアー形態として定着しつつありますが、新しい企画には「これでもか」というほど自治体までが乗り出して大騒ぎして各地で歓迎セレモニーなどのいわゆる「おもてなし系」が主流になっています。

個人的な考えですが、今はどの地方に行っても、先行した企画が成功すると、他も同じような企画をして、例えば豪華絢爛で手法も画一的、しかも高額なものが主流になっています。もちろんこれは地元の関係者にとっては当然の戦略だとは思います。

しかし「旅」には色々なニーズや様々な人々が存在します。
正直に感じるのは、かりに合理的であっても、国中どこに行っても同じような企画や戦略で埋まっている、という印象すらあります。いくら理にかなっていてもあふれ返ると逆に飽和状態になるのでは?とも感じます。たまに見かけますが、よそと違うことをやった方が面白そうに感じるのですが・・。

たとえば現状では、今はほとんど衰退した夜行列車の風情や、お土産屋さん、古い旅館、駅前食堂、定期観光バス、地方の立ち食いそばなど古来からのやり方を守る歴史ある観光産業は今は風前の灯で、そちらのほうがむしろ旅行者の旅情を感じる要因にさえなりつつあります。

もちろんこれらは個人差があるのでそうでない方が多数なのも承知しています。でも上記のような懐古趣味やレトロ趣味のニーズは相当あると感じています。

なにしろ「旅」は非日常の活動なのですから、タイムスリップしたほうがいいという方も多いと思います。表題の話から記載した「安い船旅」もその一つになると思っています。むしろ素朴な旅の原型が残っている方がはるかに旅情を誘うのでは?と感じています。

もちろん耐震や清潔なトイレや食事などの環境、通信環境の維持は必要だと思いますが・・。

仮に淡々と長崎〜神戸を定期的に巡航する大型船の航路があれば、ぜひとも「乗りたいな」と思っています。‎