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最近高齢者や女性の方の間で登山が流行っているということをメディアなどでよく耳にします。
行き先は高尾山のようなハイキングから、本格装備の北アルプスまでさまざまみたいです。

ところがそれに絡んだ事故も増加しているようで、記憶に新しいのは昨夏の北海道・大雪山系の遭難などで、さらに今年も多数の事故のニュースが流れています。
特に秩父でのヘリコプター墜落事故も遭難事故の救助の途中でおこり、さらにその取材をしようとした方々が遭難事故に遭われました。

私は人並みにハイキングなどはたしなみましたが、学生以降に本格的に山行などした経験は殆どありませんし、臆病なのでこれからもありません。

ただ昔「山は恐いな」と実感した経験があるので今回の多重事故をみて思い出しました。

昔、むかし、はるか昔の話です。
学生だったころ、当時の先生が自分が大学時代に利用していた大学の合宿所が山梨県の上野原にありました。
合宿所といっても古い民家のようなつくりで山麓にありましたがいわゆる山小屋のような建物でした。
上野原といっても、鶴川という川沿いに駅からバスで1時間半くらい奥に入った秘境に属するような山里です。山を越えるとちょうど東京の秘境といわれている桧原村あたりの場所です。

先生は当時の教え子を何人か連れて、夏休みに自炊のキャンプに行きました。
私もそのメンバーの一人でした。
要はその合宿所に泊まるだけなのですが、山から清水を引いているのとトイレくらいしか設備はなく、そこに泊まる=キャンプということになるわけです。

昼は目の前の川で川遊び、夜は肝だめしなどそれは楽しいひとときで、いい思い出になりました。
一年目にあまり楽しかったので、二年目は大幅にメンバーが増えて再度このキャンプが企画されました。

そして初回同様に初日に川遊びをしていたときに、皆で本流に流れ込む沢を奥に登ってみようということになりました。
まあ天気もよく増水する可能性も小さいし、小さな沢なのでそんなに大変ではないと思ったからです。

ところが実際に登り始めるとかなり大変でした。なにしろ道がないので沢の流れを道代わりにしなくてはなりません。
また大きな段差があるところはよじ登るような感じになってしまいます。

それでもかなりの距離(1時間くらいでしょうか)を登ったときに事件はおきました。

小さな滝つぼのようなところまできて小休止して、これからその滝の段差をよじ登ろうと皆で準備していた時です。
「がらがらがら」
と大きな音がして皆がそのほうを見ました。
するとメンバーの一人の本当に20〜30センチくらい横に大きな、直径大体60〜70センチくらいの岩がそのがけの上から崩れ落ちてきたのです。

そのメンバーはもう足がすくんで、顔色がなくなって棒立ちになっていました。

山によく行く人なら「ああ、落石ね」というくらいの話かもしれませんが、実際直撃されたらどんなことになっていたのか、と考えると寒気がしました。

一行は急激にテンションが下がり、というより誰が言うともなく全員一致で一瞬にして下山を始めました。
下山中も足元も危険ですが、皆がけの上にどうしても目がいってしまいます。
とにかく急いで逃げるように無事に下山することが出来ました。

埼玉時代に住宅の近くの裏山やちいさな崖などでよく遊んでいましたが、やはり全然規模が違います。
大体あんな大きな岩は裏山には存在しません。
最近テレビで北アルプスの難ルートを登ったりする映像がよく放映されますが、いつ何が起こっても不思議のないようなきわめて危険な場所に見えてしまい、見ているほうがハラハラします。

やはり山は恐いので、家でおとなしくしていようと思います。