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以前将棋の米長邦夫氏の本で、将棋というのは失敗をしてしまい、そこをつけ込まれて勝負が決まる、というようなことが書いてありました。
もちろん私は将棋は詳しくありませんし、将棋はそんな部分だけではないと思います。
また将棋について語るというつもりはありません。

ただ間違った手順をふんでしまうと、そこからリズムもくずれ、取り返しのつかない流れをつくってしまうのも事実かもしれません。
特にプロフェッショナルの戦いだと、皆の力差はわずかでほんの少しのミスも致命的な原因をつくってしまうのではと考えます。

これはほか多くのことにもいえることではないかとも思います。
たとえばスポーツ、私は野球をやっていましたが(もちろんアマチュアのヘボ野球ですが・・)、
野球も、事実上ピッチャーが完璧であれば、キャッチャー、いや完全におさえこんでしまえば、キャッチャーさえも要らなくなります。
まあ振り逃げという手がありますが・・、これを度外視すればの話です。

つまりピッチャーのミスにつけ込んで、バッターが打ち、守備のミスにつけ込んで点を奪う、
大雑把にいえば、いわばそんなスポーツで、実際はピッチャーとバッターのゲームなのかもしれません。

少し乱暴な意見ですし、別にこれが真理だとは思いませんが、こんな考え方もできるのではという程度です。
そしてそのほうがシンプルでわかりやすい部分もあります。

スポーツに限らず、普段私たちが行っているセールス(いわゆる営業)というのも、考えようによっては全く同じように考えることができます。
10年くらい前に、つとめていた会社をやめて、次の会社で営業の研修を受けた時のマニュアルで今も印象に残っている部分があります。
これは某外資系で営業力には定評のある会社のマニュアルを参考に、業界ではほぼ全般に出回っている資料なのですが、
「お客さんに嫌われてしまったら、ここで終わり、あなたの負けです」
まったく当たり前のことですが、たった一行の文でした。

このマニュアルでは、お客さんを紹介してもらい、仲良くなって、話を聞いてもらう過程まで事細かに親切な、指導が書いてあります。
もちろんお客さんも、営業マンも人それぞれなので、一般的な流れを解説しています。
いずれにしても相手がこちらを信用してくれて自分の気持ちや要望を相談してくれて、こちらの話を聞いてもらうに至るまでは気の遠くなるような時間と努力が必要になることが一般的な常識といわれています。

ところが前述のようになると、今までの努力が一気に水の泡になってしまうということが書かれています。

「失敗をおそれるな!」「失敗を財産に人は大きくなる」とか「会社での評価は減点法ではなく、加点法で」
などといわれていて、私も同様に思いますが、
現実は、
もちろん種類や質にもよりますが、失敗は仕事においても、限りなく敗戦を意味するものなのかもしれません。

先ほどのフレーズは言い換えれば、
「過去の失敗を、未来に無駄にしないために、二度と同じ失敗をしないように学べ、逆に失敗をしなければこうすると失敗するということに気づかないのだ」
という感じでしょうか。

将棋でも、スポーツでも、仕事でも共通して流れているのは、
失敗をするというのは、実は他人は関係ない話が多く、自分の力でどうにでもなる部分がほとんどだと思われます。
ということは、一見何事も他人と戦って勝たなければ上に上がれないように考えがちですが、自分との戦い以外は必要がないということになります。

他人と戦っていくと、他人の失敗を望んでしまったり、挙句の果てには他人に勝つことが人生のゴールに見えてしまうようになってしまいがちですが、
正誤はともかく、このように考えると、ひじょうにスッキリした気分になれました。

今流にいうと失敗=敗戦というと、=ネガティブな考え、みたいに思えてしまいますが、意外に何事にも共通した原理原則なのかもしれませんね。

でもこのこと自体がシンプルですが、きわめて難しいハードルであり、一生の間にクリアできるか、というような課題に思えます。