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今日は聞いてびっくりのつわものの話です。
◆その1・セールスマン
私は以前証券会社を退社した後、保険会社でフルコミッションのセールスマンを何年かしていました。

その時の知り合いの話です。

保険会社というのは契約を取るとその保険料に見合ったコミッションが給料としてもらえます。
私のように一般的な保険の場合は大きな金額になることはありませんが、法人などは場合によっては「え?こんなに・・」
というほどの金額になることがあります。

そういう意味では大きな契約が取れるとひじょうにいい商売ということになりますが、逆にそのような大きな契約を短期で解約されてしまうと信じられないような大きなリスクが返ってきます。
それは社員でも代理店でも共通なのですが、社員の場合はさらにその解約額が査定という数ヵ月ごとの社員資格についての評価にも関係してきます。

つまり短期で大きな解約をされると、

・その契約でもらったコミッションの大部分を返さなければいけなくなる。
・その契約で失った分のマイナスの成績を2〜3ヶ月以内に埋めるような成績をあげないと社員としての存続のの危機になる。

というようにダブルのきわめて大きなリスクを抱えてしまうことになります。

さてある私の知人の話です。
その人はある時、ある法人の大きな契約を解約されてしまいました。
その理由は税務の制度が変わったせいです。

税務の制度はよく報道などで話題になっている、税法の改正のほかにも常に行われています。
ある意味、これは今まで認めていたけど、今月からは認めないよ、みたいなことが頻繁に行われています。

特にここ数年社会情勢の大きな変化でより頻繁にこのような見直しが行われています。
一般のニュースなどではあまり表立って報道されないのでですが、企業などにとってこれはきわめて大きな問題になります。

このような話はお願いします・・、的なことは一切通じないので甘んじて受ける以外になくなります。

そしてその金額は年間保険料にすると4桁を越えるような金額だったそうです。

これは人生を揺るがすような大問題です。

一瞬にしてこのままだととてつもない金額を返還したうえに、職も失ってしまうというピンチに陥りました。

さてどうするか、

普通の人だともうどうしようもできないというのが実際の話だと思います。

しかし彼は違いました。

ほんの短期間のうちにその失った金額を越える契約を取ってそのピンチを乗り越えたそうです。

保険だけでなく、さまざまな業界で大きな契約を取ったなどという武勇伝はたくさんありますが、
このような絶体絶命のピンチを乗り切った話というのはなかなかありません。

ちなみにその数ヶ月のトータルの成績で言えばほとんどプラスマイナスゼロのセールスマンでしかないということです。

でもその話を聞いた時に私は感動しました。
多分一生で一度聞くかどうかという話だと思いました。

◆その2・昼寝
これもある知人の話です。

これは私が以前何回かお会いした著名な印鑑屋さんの社長から聞いた話です。

この社長さんは以前違う商売をしていたそうです。

その商売はひじょうに有名だったり、有力な方と会うことが多い仕事だそうです。

そうすると相手は超大物ですから、失礼や粗相があると大変なことになってしまいます。

あるとき社長さんがその先である有力な方の自宅に会いに行ったそうです。
なかなか会えないどころか、家に入れてもらうのも大変だったそうです。

何度かチャレンジしたすえにやっとの思いでその方の家に入れてもらうことができたそうです。

そしてその家の門を通り、玄関から家に上がり、部屋の中に入ったそうです。

とにかく緊張で心臓が飛び出しそうだったそうです。

そして部屋でご本人を待っていたときのことです。

ふと、そのまた奥の間でだれかがいるのに気付いたそうです。
「なんだ?誰だ?」

と見てみると、なんと、
そこには同じ会社の先輩がすでにいたのだそうです。

しかもそこで昼寝をしていたそうです。

「この人はどんな心臓をしているんだ?」

その印鑑屋の社長さんはこんなにびっくりしたことは今までも、その後もなかったそうです。

仕事はもちろん日々の努力も、人への誠意も、毎日の勉強も重要です。
でももっとほかにも必要なことがいろいろあるんですね。

どんな苦境に陥っても乗り越えてしまう精神力やとてつもない強い心臓も大きな変えがたい財産だと思ったしだいです。

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